抽象化のわな [提案・要件開発]
「アイデアのちから」の具体性/抽象性に陥るのはなぜか:設計図と機械というところを読んでいて
『これってソフトウェアでもよく当てはまるな~』
と思ったことがあります。
内容は設計者が図面を引き、製造者が実際に機械でものを作る想定です。
ここで設計図どおりだと製造時にちょっとした問題が発生します。設計者はそれをきいていきなり図面を見渡し、原因を考えます。しかし製造者が期待していたのはそんなことではなく、実際の現場でのちょっとした差異を修正したかっただけなのです。設計者が実際の問題を見ればすぐに解決したのにいきなり図面という抽象的なものに走ってしまうため解決策が余計に複雑になってしまったというものです。この本ではこれを『知の呪縛』と呼んでいます。
設計者をソフトウェアの要件定義や基本設計、製造者を顧客に置き換えると要件定義のときになかなか話が進まないというものに似ていませんか?ソフトウェアの世界では全体を抽象化して考える傾向があります。ですから要件定義の時からそうした思考が働きます。その抽象化したレベルで顧客と話すとどうもうまくいかない。ソフトウェア設計者が『知の呪縛』にとらわれてしまっているようです。
でも実際の現場を見て、そしてそれを踏まえた具体例を示しながら説明すれば実はうまくいくのではないか?ということになります。
もっと私たちが具体的に話をすれば顧客はわかりやすいのではないか?そんなことを反省させられる内容でした。
また、この『知の呪縛』を解消する方法として、言葉は明記されていませんがどうも「ペルソナ」という手法が使えそうです。担当者Aが何をやる、それを上司であるBが承認するというような形で現実に即した人物像を互いに描くことで、話がより具体的になりわかりやすくなるようです。これも「アイデアのちから」から学んだことですね。
『これってソフトウェアでもよく当てはまるな~』
と思ったことがあります。
内容は設計者が図面を引き、製造者が実際に機械でものを作る想定です。
ここで設計図どおりだと製造時にちょっとした問題が発生します。設計者はそれをきいていきなり図面を見渡し、原因を考えます。しかし製造者が期待していたのはそんなことではなく、実際の現場でのちょっとした差異を修正したかっただけなのです。設計者が実際の問題を見ればすぐに解決したのにいきなり図面という抽象的なものに走ってしまうため解決策が余計に複雑になってしまったというものです。この本ではこれを『知の呪縛』と呼んでいます。
設計者をソフトウェアの要件定義や基本設計、製造者を顧客に置き換えると要件定義のときになかなか話が進まないというものに似ていませんか?ソフトウェアの世界では全体を抽象化して考える傾向があります。ですから要件定義の時からそうした思考が働きます。その抽象化したレベルで顧客と話すとどうもうまくいかない。ソフトウェア設計者が『知の呪縛』にとらわれてしまっているようです。
でも実際の現場を見て、そしてそれを踏まえた具体例を示しながら説明すれば実はうまくいくのではないか?ということになります。
もっと私たちが具体的に話をすれば顧客はわかりやすいのではないか?そんなことを反省させられる内容でした。
また、この『知の呪縛』を解消する方法として、言葉は明記されていませんがどうも「ペルソナ」という手法が使えそうです。担当者Aが何をやる、それを上司であるBが承認するというような形で現実に即した人物像を互いに描くことで、話がより具体的になりわかりやすくなるようです。これも「アイデアのちから」から学んだことですね。
ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト
- 作者: 棚橋 弘季
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2008/05/30
- メディア: 大型本
Webサイト設計のためのペルソナ手法の教科書 ~ペルソナ活用によるユーザ中心ウェブサイト実践構築ガイド~ (DESIGN IT!BOOKS)
- 作者: Ziv Yaar
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「アイデアのちから」
本書の原題は
Made to Stick Why Some Ideas Survive and Others Die
で、直訳しようとすれば
定着/焼付け
になると思います。実際、本書の中では”記憶に焼き付く要素”という単語が主体になっています。
「アイデアのちから」というタイトルを聞くとどうやってアイデアを生むかという内容を期待する方もいるかと思いますが本書では、
『他人の意識・頭の中に残るアイデアとはどのようなものか』
ということを解説しています。
そのポイントはSUCCES(s)として表現されます(最後のsはおまけで英語のsuccess/成功に掛けたものになっています)。
S : Simple 単純明快
U : Unexpected 意外性
C : Concrete 具体的
C : Credible 信頼性
E : Emotional 感情に訴える
S : Story 物語性
これらの要素が揃ったものが他人の意識・頭に焼きつくものになります。
「アイデアのちから」もこのSUCCESsを意識したタイトルになっているのではないでしょうか。
素晴らしい発見、イメージも相手に的確に、しかも覚えてもらわなければ良いものにはなりません。
英語のサブタイトルの通り死に行くアイデアになってしまいます。
生き残るアイデアとするためにSUCCESsを意識していきましょう。
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