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「キーストーン戦略」 [自己研鑽]

本書はビジネスシステムをエコシステム(生物学的生態系)と対比するというアプローチで分析をしてみようというものです。

思えばエコシステムというのは生物界の中の厳しい生存競争の中で作り上げられてきたもの。人間が作り出すビジネスシステムもこのエコシステムと同じような部分があると考えてもおかしくはありません。

実際エコシステムで破滅に向かうパターンのビジネスシステムはやはり破滅します。例えばビジネスシステムの全ての利益を独占しようとする場合などはそうです。最初は好調なように見えるのですが、一定期間経過すると自らを破滅へと導いている。いくつもそんな事例が出てきます。

そんな中で有効だと考えられているのがキーストーン戦略。キーストーンというのはエコシステム中の核となる部分をさします。それがなければ生態系が維持できないほどのものとなる。かといってエコシステムの周辺系をすべて破壊するような搾取などはしない。共存共栄を目指しつつ1つの強いエコシステムを構築していくというもの。

完璧ではありませんが、マイクロソフトはキーストーンの一例ですね。WindowsとOfficeは今のビジネスの世界ではほぼ市場を押さえていますが、その利益はMicrosoftが独占しているわけではありません。Windows上のアプリケーションやOffice連携ソフトなど数多くのソフトウェアビジネスを生み出している。これらはエコシステムの周辺系とみることができます。

なんでもかんでも独占すればいい、そんなビジネスは決してうまくいかない。それは自然界の摂理なんだということがわかってきました。


キーストーン戦略 イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム (Harvard Business School Press)

キーストーン戦略 イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム (Harvard Business School Press)

  • 作者: マルコ・イアンシティ
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2007/09/20
  • メディア: ハードカバー




それにしても凄いのがDELLやウォルマートですね。多くのビジネス書で必ずといっていいほど成功事例として掲載されている。キーストーン戦略でも両社は登場します。実現したらすごいビジネスシステムだったのか、それともこんな深いところまで考えて構築したビジネスシステムなのか。
両社が今のエコシステムを維持する限り、かなり協力なビジネスシステムと言えそうです。
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