「アジャイルプロジェクトマネジメント」 [プロジェクト管理]
従来のソフトウェア開発では大まかに言えば
1)機能一覧作成
2)見積もり・スケジューリング
3)設計
4)実装・テスト
5)納品
という5つの工程で作成されていた。これはソフトウェアのマネジメントが建設現場や自動車の組み立てラインのように、作業内容や時間があらかじめ予測できるものから派生しているためである。
しかしソフトウェアでは1の機能一覧の不確定性が非常に高く、後の工程もその影響で予定通りに進まないものである。最初に作成された見積もり・スケジュールはまさに絵に描いた餅である。これがソフトウェアプロジェクトマネジメントの実態である。
そうした中考えられたのがアジャイルプロジェクトマネジメント(APM)である。APMでは0の機能一覧は随時、環境に合わせて変化していくものであると考え、この変更に”適応し”開発を進めていこうとするものである。
APMでは正式には見積もりというものはない。スケジュールも大まかにイテレーションを決めるだけでその内容はその時々で変更されていく。
APMは開発チームの自律性を非常に重んじる。自律のできない担当者は辞めていただくというのが基本姿勢である。
さらに開発する機能は随時ユーザと話し合い、その詳細を決めていくというスタイルを採る。
そのほか従来のソフトウェアマネジメントとは相容れない部分が多数ある。
従来のソフトウェア開発企業にとってはこのマネジメント手法を採用するに当たっては多数の難題が出てくるであろうが、今後のソフトウェア開発のマネジメント手法の主流になっていくことは間違いないと思われる。早く難題を解決し、アジャイル開発を実践する企業が勝ち組として残っていくものと考える。
アジャイルプロジェクトマネジメント 最高のチームづくりと革新的な製品の法則
- 作者: ジム・ハイスミス, 小野 剛
- 出版社/メーカー: 日経BP出版センター
- 発売日: 2005/06/09
- メディア: 単行本
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