「失敗しないERP導入ハンドブック」 [提案・要件開発]
いまさらながらなのですが、「ERPっていったい何?」と思ったので、それが理解できそうな本を読んでみました。
「失敗しないERP導入ハンドブック」
ERPは企業の基幹業務(購買、生産、販売、会計、人事など)機能を最適化し、提供するソフトウェアである。
まあ、当たり前の回答ですね。でもその当たり前を確認したかったんです。ERPって範疇はどこまでか?って。結局”基幹業務”一般をまとめて提供するのがERPだということかな、という理解です。
で、この本ではERPの生い立ちなども紹介していますが、一番重要なのは”失敗しないERP導入”という内容です。
欧米では成功事例の多いERPですが、日本国内では一時はあまり成功事例が多くなかった。大半はアドオン開発で開発費が余計にかかったなどです。結局このあたりの失敗もこのブログで紹介してきている”要求定義”の失敗と同じ原因のようです。ERP導入でも、”ERP導入ありき”ではなく”今回のシステム導入の目的は何か”という点から入っていかないといけないということです。導入の目的から導き出されるソリューションがERPであり、その目的に沿ってどうしても必要な機能があればアドオン開発する、そうでなければ別の解決策(手作業、ERP標準に従うなど)を考えるということになります。
アドオン開発をすると、のちのちのERPのバージョンアップの際にアドオンの改良をするということが発生します。そういったことも考えて決めなければならないということです。
さてこの本ですが、若干古いものです。ERPの世界ではこのあとSOAという概念が導入され始めています。つまり提供する業務が個別にSOA化されるような感じになってきています。そうなってくるとアドオン開発の形態も変わってくる可能性があります。例えばSAP ERPはNetWeaverというSOAプラットフォームが提供されています。アドオンもSOA化できればバージョンアップの際の改良が不要になるかもしれません。
失敗しないERP導入として”システム導入の目的は何か”を明確にするという点は変わりませんが、ERP製品の動向が変わりつつある状況なので、そのあたりはITProなどで最新情報を入手してください。
「~ゴール指向による!!~システム要求管理技法」
最近の要求開発(要求定義)では、そのプロジェクトが目指すゴール(真にやりたいことはなにか)をまず明確に、という動きが体勢を占めています。これは顧客から出てくる数多くの要望がそのゴールに沿っているかどうか、沿っていないなら要望を採用しないなどの対応をしなければ、開発規模は膨らむばかりで、顧客満足度は逆に低くなっていくということから考えられたものです。
「~ゴール指向による!!~システム要求管理技法」はそういった要求開発(要求定義)をゴールとはどういったものなのか、ゴールの決め方は、といったところをはっきりとさせる方法が書かれています。
以下略
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