予算統制の本当の意味 [自己研鑽]
ずいぶんと前にご紹介したネタですが、時期が時期だけにもう一度考え直して欲しいと思い、再投稿します。
予算統制とは予算によって統制するのではなく、予算を統制するものです。つまり予算が絶対ではないということです。
このことは1922年の世界恐慌のときに発表された研究でも明確に述べられています。
私が考えるBPMはこの考えを基にしています。そういったソフト・SaaSができればいいなと思っています。
「J.Q.マッキンゼーの予算統制論」
以前紹介した「脱予算経営」で、今の予算管理には問題点がある、と書かれていたのでどんな問題点なんだろうと思い読んでみた本です。
ところが、期待していた内容とは違い、1922年(世界恐慌の年)に発表されたマッキンゼー氏の予算統制論に関する研究の本だったんですね。難しい本を引っ張ってきてしまった・・・・。
と、思いきや面白い事実がわかってきました。
この予算統制論は現代の企業が行っている予算管理のベースとなっているものだと言われているのですが、実は「予算”によって”統制する」という内容ではなく「予算”を”統制する」という内容なのです。つまり、現代は一度立てた予算に対してなんとかそれを実現しようと管理していきますが、マッキンゼーの予算統制論では予算なんて不確実なものなのだから、月次で予算と実績の差異を把握し四半期毎に予算を修正していこう、という内容になっているというのです。
これって「脱予算経営」でやっていることと同じじゃないか、と思ったわけです。
マッキンゼーの予算統制は世界恐慌という時代背景から不確実な予算を変えないというのは無理だ、というところから出発しているようですが、その理論をベースにした現代の予算管理を否定した「脱予算経営」と同じ結果になるとはなんという偶然なんだろう、読み終わったときにそう思いました。
経営に詳しい人などは両方を読み比べていただくとわかるのではないかと思います。
J.O.マッキンゼーの予算統制論
作者: 北村 浩一出版社/メーカー: 中央経済社発売日: 2006/09メディア: 単行本
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