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EU金融派生商品取引の監視強化に思うこと [Money]

EUが金融派生商品の監視を強化することを発表しました

この措置でふと思ったこと。

「短期的には監視強化でいいけど、先を見たら別のアプローチを考えないとね・・・。」


今回の世界的金融危機はまさに金融派生商品が原因であることは疑いようのない事実です。
ではなぜこんなことになったのでしょう。私は金融工学のどこかに誤りがあったように思います。
そもそも低リスクの商品に高リスク商品をもぐりこませた商品を作るとどうして低リスク商品になってしまうのでしょう?
リスクの加算・平均化の概念が間違っていたのではないでしょうか。高リスク商品が破たんすればそれを組み入れていた商品も破たんする。とすれば高リスク商品を組み入れた商品のリスクは高リスク商品と同等になる、そう考えるのが自然ではないかと素人考えで思っていました。

 このリスク評価の部分やその他金融派生商品で使われているのが金融工学。非常にあたらしい学問です。
工学の定義は
科学、特に自然科学の蓄積を利用して、実用的で社会の利益となるような手法・技術を発見し、製品などを発明することを主な研究目的とする学問
(wikipediaより)

となっておりデータの蓄積が重要な部分だと思います。
新しい学問である金融工学はまだこの蓄積が十分ではない。このため、今回のような誤りを引き起こしたのではないでしょうか。

 実は金融工学が引き起こした金融危機は今回が初めてではありません。ご存知の方も多いと思います。1998年のLTCM破たんとそれに伴う危機です。LTCMには金融工学でブラックショールズ方程式でノーベル賞を受賞したフィッシャー・ブラックとマイロン・ショールズの2氏も所属していました。破綻にいたった取引はこのブラックショールズ方程式を活用したものだったといいます。
ノーベル賞を受賞するほどの理論でも実際には破たんしたんです。(このときは活用を誤ったという可能性もあったのですが)

 2度の金融危機を経験しても金融派生商品がなくなる気配はありません。とするならば次なる危機を防ぐには金融工学の更なる発展・発明が必要なのではないでしょうか。金融界をあげて金融工学の基礎研究を推進し、誤りを防止する・または誤った場合でも破たんの連鎖が発生しないものにする、そうした研究をもっともっとやるべきではないでしょうか。
 商業主義にはしらない金融工学をやるには日本は最適な環境ではないでしょうか。金儲けのために研究をやっていないというプライド、細かいデータの積み重ねを粘り強く研究する、日本人によくある特質です。
 ぜひとも日本の大学には頑張ってもらって欧米の考え方とは少し違う側面からの金融工学を発展させてもらいたいと思っています。
 政府なども日本市場の安定化のためにもこうした分野への助成をすることが重要だと考えています。

 ぜひぜひ、日本の金融工学界の方には頑張って欲しい、そう思う今日この頃です。
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