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「強い円は日本の国益」 [Money]

榊原英資氏が本業に戻って書いた書籍です。2008年の金融不安の状態までカバーしています。

金融不安で円高になっていますが、それは名目レートの話。実効レートは歴史的な円安状態にあるそうです。
さらに現代は従来のコモディティ商品(穀物等)が稀少化し、付加価値製品(家電・AV機器)がコモディティ化してきました。
今までの日本であれば、付加価値製品を海外で売って日本の国益となっていましたが、新興国が発展しそうした製品がコモディティ化した結果円安状態でも新興国製品のほうが安いという状況になってしまったのです。
すでに日本の輸出依存体質は経済的にも崩壊状態にあると考えられます。であれば、今まで売って儲ける国(輸出国)だったところから買って儲ける(輸入国)へとパラダイムシフトをしないといけないでしょう、というのが本書の主張です。
円高になれば稀少商品である食品が安く手に入ります。また、海外展開もしやすいでしょう(昨年までの米国のように)。日本の姿が転換する時期にあるというのが主張の主な点です。

 あとはドル360円から、プラザ合意以降の著者自身が真っ只中にいた驚異的な円高時代、そして超金利政策時代とそれぞれの時代の分析をしています。
驚異的な円高時代はあまりにも急速に訪れたので日本は円高に耐えられませんでしたが、ゆっくりとすすめば実効レートでもっと円高になってもよいはずなのです。

 為替が本職といっていい榊原氏のことですから、間違いはないでしょう(主義主張の違いはあるでしょうけど)。
「強い円は日本の国益」この言葉をよく噛み締めて、これからの経済を見ていかないといけないな~。


強い円は日本の国益

強い円は日本の国益

  • 作者: 榊原 英資
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2008/09/04
  • メディア: 単行本



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miz

円安で喜ぶのは一部の輸出企業だけですからね。
円高デメリット受ける企業・個人の方が圧倒的に多いので、円高であって欲しいです。
上記の強い輸出企業は海外に工場を持っていたりしますし。急激な為替変動でダメージ受ける事はあっても、すぐにバランスさせるんじゃないでしょうか。
今回の痛みはドルよりユーロ。対ユーロが甘かっただけで。
by miz (2008-11-22 20:54) 

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