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「キンドルの衝撃」 [雑感]

2009年末のクリスマス商戦で、Amazon.comではKindleがNo1だったようです。nookもかなり注目されました。
今、米国では電子書籍が流行しつつあります。本書はそれにまつわる内容です。ただしKindleオンリーではありません。インパクトはありませんが「電子活字革命」というタイトルのほうが内容にあっていると思います。
以前紹介したとおり、Kindleでは新聞も読むことができます。特にアメリカ国内向けの新聞は数多い。このことからアメリカ新聞業界は自身のビジネスモデルの見直しを迫られています。本書ではこのあたりを中心に話を展開しています。Kindleというと「書籍」にフォーカスされがちですがこの本では「新聞」「メディア」にフォーカスしているのが面白いところですね。Kindleの成功(?)で電子化に舵を切りはじめたアメリカニュースメディアの現状がよくわかる1冊です。


キンドルの衝撃

キンドルの衝撃

  • 作者: 石川 幸憲
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 単行本



ところで、日本とアメリカでは新聞のビジネスモデルが違います。
アメリカでは収益の中心は広告でした。この広告収入が減少してきているために様々な手をうってきています(このあたりの話は本書を読めばよくわかります)
しかし日本では定期購読料が収益の中心。定期購読を支えているのは地域販売店網。この構図があるからこそ、アメリカほど日本の新聞業界のダメージが大きくなかった。しかし定期購読自体が減少してきているため、このモデルも危機的状況にあります。じゃあアメリカ同様にビジネスを変えればいいのではないか、とも思いますが今まで日本型ビジネスの強みだった販売店が今度は弱点になります。もし極端に電子化を進めると販売店の経営が成り立たなくなる。どうしてもnews「paper」という実体に依存してしまうんですね。これは簡単には転換できない。

とはいえ、どこかで折り合いをつけなければ日本の新聞社も倒産ということになりかねない。販売店を持たない新しい新聞社が台頭してくるのか、それとも既存の新聞社がビジネスモデルを転換してくるのか、そこがこれからの注目するところでしょう。
日経のWeb版は既存のビジネスモデルを壊さない範囲でしか変えることができなかったということでしょう)




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