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IT企業の情報機器管理簡素化の功罪 [雑感]

 一般企業同様IT企業でも情報機器管理は簡素化され、情報システム部門の一括管理になりつつあります。
一括管理になり、現場の人間はさまざまな管理作業から開放され、本業に集中できるというメリットがあります。昔は大変だったな~とあらためて実感します。本業に集中できるというのは生産性向上にも役にたついいことです。

ただし、デメリットもかなりあります。
例えば、DNS管理、DHCP管理など一括管理になるとソフトウェア開発者がこうした作業に触れる機会がなくなります。今までは部門で管理していたので、ネットワークの能力はそうした管理で身につけていたのですが一括管理にするとまったく覚える機会がない。ウィルスセキュリティについても同様。さらに昔はWebサーバを独自でコンパイル・起動し、独自でコンテンツを提供する、Tomcatが出てくればそれと連携させる、リバースプロキシーを作ってみるなど時間があればやったものですが、今はそうした機会もない。インフラ担当・運用担当の人は独自で勉強してこうした技術を身につけますが、やはりごく一部の人に頼ることになる。管理が簡単になればなるほど、現場の人がインフラを理解しなくなってしまうのです。
 本来Webアプリケーションソフトを作成するならば、HTTPプロトコルの概要は知っていて当然、セッション管理がどのように行われているのか理解しているのも当然。何か問題があればパケットを見れば一目瞭然、という世界がありました。今、そのようなことをちゃんと理解してプログラミングしている人はどれだけいるでしょう?DNSの動作はどうなっている?DHCPは?PINGってどんなことをしているの?すべて自前でネットワーク管理していれば自然と覚えるものですが、そうした機会がなくなりまったく覚えないまま過ごしてしまうのです。
 ソフトウェア開発者だからインフラなんて知らなくていい、ということは絶対にありません。むしろインフラの動作をしっかり理解したうえで、ソフトウェアを設計・プログラミングしなければならない。そうした技術が失われていくのが怖いなと思います。

 きっと大型ホストからクライアント・サーバにパラダイムシフトしたときに、諸先輩方々が同じような思いをしたのでしょう。OSの動きを理解しないでどうする?ファイルI/Oをちゃんと理解しているか?メモリ管理は?
 みんな今でも必要な知識ですね。管理が簡素化される今だからこそきちっと技術を覚える努力をして欲しいと思います。やっぱり一家に一台LINUX・・・でしょうか。


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