メモ:ブラック・スワン続編『強さと脆さ』 [雑感]
「ブラック・スワン」の続編が出るようですね=>「強さと脆さ」、どんな内容なんでしょう。今から気になる。
「ブラック・スワン」
今日のNHKスペシャルでも「マネー資本主義」という内容をやっていましたが、この本を読んだら「そもそも最初で間違えているじゃん」と突っ込みを入れたくなりましたね。
今まで私たちは統計をつかってごまかされていたように思います。NHKスペシャルの中でCDSも「リスク確率を算出して云々」とありましたがそのリスク算出のベースは確か統計を用いていますよね。その際に使われるのが正規分布。確かに物理学のある領域では正規分布に従うものもあるでしょう。しかし、人間が作用するところではたして正規分布に従うのでしょうか?応えは『否』です。つまりリスク確率の計算の根本そのものが間違っているのです。
まあこの程度のごまかしならまだかわいいほうかもしれません。さらにひどいことには正規分布で一定範囲以外のものはほぼ発生しないものとして無視されます。無視されているということを理解していればよいのですがいつのまにか無視されている部分は「起き得ない」に変換されています。そうなるとリスク感覚がまったくなくなる・・・。
完全に統計学をうまくつかったごまかしです。
ちなみに書籍のタイトル「ブラック・スワン」とは文字通り黒鳥のこと。「黒い白鳥」なんて存在しない(実際には存在する)という思い込みを表した言葉です。
この本を読むとビジネス界の統計情報にいくつも疑問を持つようになりますね。
例えば6σもそうです。改善活動そのものにはとても意味があります。6σで行われている改善活動そのものは存在意義があります。しかし、どこからか捻じ曲がって6σ運動をすると「不良は発生しない」というように置き換わっていないでしょうか?6σでも非常にまれな確率で不良は発生します。まずこれを忘れてはいけない。さらに正規分布に従うならばという前提条件も忘れてはなりません。実際には人間の活動なんて正規分布になんて従わないのですから・・・。実はおもったよりも不良が発生して「6σなんて理想に過ぎない」、、、なんてことになっている方もいるのではないでしょうか?
世の中統計ですべてがわかるんだ!!という方はこの本はイライラがつのる内容だと思います。
しかしそういった観念に疑問を持つ方、どうも最近の「100年に一度の危機」という言葉に違和感を感じる人ならこの本の内容はすんなり理解できると思います。
「あり得ない」と思うことは必ずあり得るものです。
などと述べていますが、結構統計のマジックは普段の生活にも紛れ込んでいるのでなかなか捨て去るのは難しい。私自身もこの本の内容を果たして適切に表現できているのか心配です。
でも、これだけは間違いなく言えます。『おもしろい!!』
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